1 叡山電車 貴船口駅 2 鞍馬鳥獣保護区
3 貴船神社境内  4 貴船川河川敷 
5 貴船神社奥宮 6 貴船神社石段 
7 オニグルミ  8 蛍石 
9 地衣類(ヒメレンゲゴケ?) 10 クサギとクロアゲハ
11 マタタビ  12 ミツバウツギ 
13 烏帽子岩 14 ハグロソウ 
15 ムカゴイラクサ 16 クサアジサイ
 
17 クズの花 18 ヤマトシリアゲ
19 ヤマホロシ 20 サワシデ
21 エビラフジ 22 テイカカズラの実
23 オオケマイマイ  24 オオミズアオ  
25 ヒメキマダラセセリ   26  
 
27 アキアカネ   28 ウラギンシジミ 
29 スミナガシ  30 ザトウムシ 
 
31 ヤブデマリ   32 クロアゲハ 
33 ヒメカマキリ  34 オオヨツスジハナカミキリ 
 
35 カワガラス   36 ダイコンソウ 
37 オハラメアザミ   38 ヤブデマリ  
 
39 赤トンボは何匹?   40 ボタンネコノメソウ 
2018年度活動記録(14)
奥貴船自然観察会  第159回友の会
○ 日 時: 2018年8月26日(日)
○ 場 所: 貴船渓谷
○ 天 候: 晴
○ 参加者: 一般43名 スタッフ15名  合計58名

 この地は嘗て、日本三大昆虫採集地として関東の高尾山、大阪の箕面とともに知られていた時代がありました。貴船神社とその奥宮付近に自生するトチノキの蕾、花、果実を幼虫が食べる蝶「スギタニルリシジミ」は、1918年4月、旧制第三高等学校の杉谷岩彦先生が初めて、ここで採集され、後に新種とわかった記念すべき土地で、40〜50年以前までは、自然環境も保たれ、植物、蝶や他の昆虫の種類、数とも大変豊かでした。現在、道は拡げられ、舗装され、山の斜面は杉の植林で埋められ、車と人の異常な増加、渓流を塞いでしまった料亭の川床、店舗の増加などで観光地化してしまい、以前の面影は消滅していると感じました。

 本日は、叡電鞍馬線を貴船口で降り、貴船神社手前の終点まで約2`bをミニバス2台に分かれて乗車、夏のシーズン真っ盛りでもあり、貴船川に沿った狭い道路を頻繁に乗用車、観光バス、料亭の送迎バスが通り、歩いての自然観察は無理の状態でした。

 参加者全員が揃うのを待って出発。本日は、久しぶりの当会新人の若者、辻氏、中国から当会スタッフの家庭に研修生として来日の女性・馬さんも参加。 台風19号一過の晴れ、後で確認すれば京都市内は36度6分の最高気温とか、終点は砕石敷の駐車場でもあり、降りても涼はすぐには感じられなかった。 先ず、バス停の目の前斜面にまだ青いが、実をいっぱいつけたノブドウの大株を観察、秋には青、紫のグラデーションの実が楽しみ。

 しばらく自動車の通行が激しいので、止まって観察などせずに歩くことにしました。道の両側に並ぶ料亭の玄関や垣根には風情のある山草が配置され、シュウメイギク、シュウカイドウ、ギボウシ、オダマキ、フタバアオイ、ユキノシタ他たくさんあり結構楽しめました。シュウメイギク(貴船菊)はこの地、貴船で自生していて貴船菊の名の由来になっているとのこと。早くも蕾が見えていました。

 貴船神社あたりにさしかかると,流石に渓流と木立からの冷気が感じられ、市内より4〜5度気温が低いことを実感。神社付近からは、人と車の雑踏はすごかった。道の左右にケヤキの巨木が何本も見られ、神社本殿への石段登り口の一本は樹齢600年とか、神社の上、後方には、斜面にトチノキの巨木も望まれた。 このあたりの渓流はすべて川床に占拠され、ヨシズの壁に沿って縮こまって歩くことになりました。貴船神社あたりからミンミンゼミの鳴き声がコースを通してずっと聞こえたのは、まだ自然度が高いことを示しており、ホッとしました。アブラやクマゼミの鳴き声のような暑さを感じないのは環境のせいかな? 先入観かな?

 料亭がなくなるあたりから路傍の植物も手に取るように観察可能となり、 ゆっくりした観察会ペースになりました。光沢があり、枝の同じ側に並んで二枚ずつ互生の葉をもつ、コクサギがあちらこちらに見られ、石灰岩など塩基性岩の性質に生育するので、変わった植物が生育する地質の目安になる。とのこと。シュウメイギク(貴船菊)も石灰岩地を好む植物ということで、貴船周辺地質の証明となっています。また、蝶のオナガアゲハの食草でもあります。したがって、五月ごろ貴船で観察できる黒い蝶では最も数が多い。やがて、有名な「相生杉」の巨木を拝み、奥の宮が望めるあたり広くなった場所でやっと人数確認、挨拶、本日の案内が出来ました。奥の宮迄の沿道はしばらく樹齢数百年の杉並木となり、厳かな雰囲気を醸し出していました。足元ではコミヤマミズ、ミヤマカタバミ。ゲンノショウコやハエドクソウ、ハグロソウがひっそりと可憐な花を咲かせていました。

奥の宮も、今や、パワースポットとして、人も多かったが、自動車はここまで。 神聖な境内で観察開始、カツラの巨木、スギ、トチノキ、地上に何かの実がバラバラ落ちていた、すべてマタタビの虫えい果実でした。マルミノヤマゴボウの紫紅色の花が山側のフェンス越しに観察でき、印象に残りました。 奥の宮を出て貴船川の橋を渡ると本来の貴船らしく、ぐっと静かになりました。

 直ぐ、京都市の天然記念物指定のカツラ・・幹回り約7m、樹高37mが聳え、トチノキの巨木が空を覆い、樹下の道や川の中まで艶やかな実を落とし、林縁に生えていたフッキソウの群落は珍しいものでした。フサザクラが川側に大変目立つようになり、シラキ、コクサギも増えだしました。伐採後の斜面には、一面のマツカゼソウ、背の高いタケニグサも目立ちました。給水施設のフェンスにはヘクソカズラ。思いがけずメハジキもポツリと2株。しばらくして本日ピカイチの野草、珍しいフシグロセンノウの朱色の花を観察できました。陽の当たる河原では、クズが花盛り、どおりで「ウラギンシジミ」の飛翔が目立ったはずです。この蝶がクズの花穂を主として食草にしているから。ジャケツイバラも繁茂、茂みに目立つ赤い花?は ヤブデマリの実でした。きつい坂を登り切るあたり、たくさんのアキアカネが里の暑さを避けて、涼しい貴船へ避暑に来ている生態も確認できました。やがて秋の深まりとともに、里の田んぼで群れるでしょう。

 間もなく昼食を頂く場所、滝谷峠登山道近くの河原に到着。手前の広い空間の周囲では、サンシチソウ、キブシの鈴なりの実、ミツバウツギが二股になった不思議な実をいっぱい実らせていた。河原への入口でジャケツイバラの花を発見。 砂や礫で平たくなった河原では、レモンエゴマが林立状態、道側斜面では、ダンドボロギクだらけ、しかし、この花にカラスアゲハの♀が産卵を控えて栄養補給か、熱心に吸蜜をしていました。実をつけたウツギの大株、クリンソウが3株ほど、クリンソウは北山では渓流沿いで大繁殖のようです。

 焚火跡ではクロアゲハがミネラル成分を求めて吸水に、キタキチョウも群れて吸水に飛来。向かい側の山の斜面には、ヌルデ?タラノキ?カラスザンショウ? と思しき白い花が綿菓子のごとく、ここかしこに遠望できました。 ここは渓流と河原の段差がほとんどなく、清流に手が届き、しばし冷たさを体験。 流れと、河原を覆うようにイタヤカエデが大きく張り出し、日陰をつくり、御誂えの昼食場所を提供してくれました。

 観察した昆虫として、京都府準絶滅危惧種のヒメカマキリの幼虫が2頭、ナナフシモドキ。ノコギリクワガタとミヤマクワガタの体の一部、クワカミキリの死体、ウラギンシジミ多数、アキアカネ多数、クロアゲハ、カラスアゲハ、キタキチョウ多数、フキバッタの仲間、スケバハゴロモなど。野鳥としては残念ながら貴船渓谷の常連カワガラス。と他にヤマガラしか記憶にありませんでした。  食後、恒例の「店開き」では、実のついていたもの、香りのあるもの、についてサンプルを見ていただき、担当者が解説し記憶を新たにしていただきました。

実・・・マタタビ、シラキ、キブシ、タケニグサ、トチノキ、ヘクソカズラ、 ジャケツイバラ、イヌガヤ、ツガなど。

香り・・コクサギ、マツカゼソウ、レモンエゴマ、カツラ、ヘクソカズラなど。

 香りを体験していただくため、葉などをもんで、ビニール袋に入れ嗅いで頂きました。

その他の解説・・イタヤカエデ・・板屋という意味で雨やどりにいい、今日はこの場所の真上にあり、陽を覆い隠すように枝が張り出しピッタリ当てはまる。種のプロペラが左右に開く角度が狭くイロハモミジは広い。この角度でも区別できる。

「参考に、自宅でイロハモミジを調べましたら、角度は100度くらいあり、イタヤカエデは40度くらいでした。」

スギ・・周囲の尾根を見て、杉の木の頂きが▲のようにとがっているものは、今成長中の木、丸くなっているのは成熟している。

クヌギタケの仲間・・柄が大変細く長い。落ちていた枯れ枝についていたもので、実物を目のまえで観察しましたので、よくわかりました。

赤トンボのクイズ・・赤や茶色、青色をしたトンボの写真から、赤とんぼの仲間ではないものを当てていただいた。

ハッチョウトンボ、ショウジョウトンボ、ウスバキトンボは 赤いが、赤トンボグループではない。 ナニワトンボは青いが赤とんぼの仲間。など。

 暫し休憩後、さらに5分ほど坂道を登り、滝のような急流の斜面で、赤い実をつけたヤブデマリの大株を観察、冷気を肌に一層感じて帰途につき、奥の宮で全員無事を確認して解散となりました。  記: 眞田



(2018.8.26)



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